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2011年7月 6日 (水)

山岳遭難隊

 

6月12日(日) 登山してきました。

 

死にました。

 

~~~~

 

というわけでこんばんは、べにです。

いやまあ死にましたとか、
比喩としてね、不適切なんですけど
それくらい限界を超えたって言いたいんです。

人間、限界を超えると幻覚や幻聴を見るんですね。
現実逃避するために。

 

といったお話をこれから書いていこうと思います。

 

ことのはじめは、会社のピンキーさんからのお誘いでした。

Kt部長が山登りたいとか酔狂なことを申し上げまして、
私は持ち前の体力の無さから登山だけは御免だったんですが、
こうやって誘っていただけるのは嬉しいですし、
ちょっとした気分転換になるかなーと思ってOKしました。

 

行く人は、
Kt部長と、ピンキーさん、
ピンキーさんの友達であるあーちゃんと
変態紳士である私の4人。

 

私以外の3人は過去にも登山経験があり、
私なんかよりよっぽどベテランです。

そもそも私の登山記録なんて、

 

▲五頭山-新潟 (中学時代) 912m
▲霊山-福島 (6年くらい前?) 825m
▲弥彦山-新潟 (2年前) 634m

 

ぐらいなもんなんですけど、今回の登山は

 

▲武尊山-群馬 (一週間前) 2158m

 

桁が違う。

何かの比喩で「桁が違う」とか言いますけど、
リアルで桁が違いますからね。何それ。

 

私の登山記録の標高を ”/”で表わしてみましょう。
グラフっぽく。

50m毎に / を付けます。端数切り捨て。

▲五頭//////////////////
▲霊山////////////////
▲弥彦////////////
▲武尊///////////////////////////////////////////

 

何Core。頭おかしい。

まあ、何で武尊山になったかは、
登山のパンフレット見て、中級レベルでいい感じの山を探して、
これでいいんじゃね?」って形で決めました。

 

これがまさかあのような悲劇を招くとは
誰が予測できましょうか。

 

~~~~

 

迎えた当日。

朝6時半にピンキーさん宅に集合で、
はっきり言って時間の読みをしくじりまして、
朝5時半に着いてしまいました。

どんだけ登山楽しみにしてる人だろうとか思いますが、
前日色々あって、ちょっと寝れなかったんです。

決して登山が楽しみでワクワクして
寝れなかったとかじゃないです。

 

寝てない上に登山とか、
結果は死しか見えてこないのですが、
とりあえず最寄のコンビニで仮眠を取りました。

 

で、ぼちぼち集まったので出発。
Kt部長の運転は相変わらずだぜ!

あと、覆面の恐ろしさを知りましたよ。
捕まってないですけど。

 

~~~~

 

群馬県 武尊山(ほたかさん)は、
水上らへんにあるみたいです。

登山口に着いたので、各々準備。

山頂でカップめんを食べるという
ドリームプロジェクト
を決行するため、
私は水4リットルを背負わされました。

 

言うなれば、3桁レベルの登山しかしたことがない私。

安易に、適当に決めたこの山の恐ろしさを、
肉体、魂、精神の全てに打ち付けられました。

 

最初は、まあ普通の山道。
何なら車でも進めますよくらいな感じ。

事実、途中までは車の待避所とかありましたからね。

 

ちょっとゆるやかな坂道で、
私とKt部長は水やら道具やらを積んだ
リュックを背負ってるとはいえ、全然余裕でした。

まあ、女性陣は二人ともどんどん先に進んで
置いていかれる勢いでしたけど。

 

~~~

 

とか言ってる内に、最初の分岐点に差し掛かりました。

予定時間より早めです。
おお、この登山、思ったより楽なんじゃね?

 

というわけで、休憩がてら記念撮影。

Tozan1

この頃は良かったなぁ。まだまだ無邪気でさ!
 

疲れたときは甘いもの、って感じで、
チョコレートをKt部長が配ったんですけど、
オレこんなに口の中一杯にチョコ詰め込んだのはじめてだわ。

悪くない。うん、悪くない。
日常じゃ身の危険を感じて絶対に出来ない。
主に腹回り。

 

束の間の休憩。
話によると、これからもっと勾配がきつくなるようで。

正直もう帰っていいレベルだったんですけど、
まあ、頑張って見ましょうよと。

 

というわけで、ずんずん進んでいくんですが、
多分私って登山をハイキングか何かと
勘違いしてたようで、もう道じゃねぇでしょ、
って道を進んでました。

 

たまたま根っこが足場になるからここを道にした

 

何か行けそうだから道にしてみた

 

もうこのルートでいいでしょ、文句ある?

 

みたいな登山道でした。
 

考えたヤツ出て来い。
罰として副社長の朝礼聞かせてやる。

 

~~~~

 

さてさて。

ピンキーさん、あーちゃんは、
もうスタコラサッサとヒョイヒョイ道を進んでいきます。

何でそんな元気なの?と切実に思う私なんですが、
4リットルの水を背負うも、日ごろの運動不足と
持ち前の非力さを発揮しまして、
息絶え絶え、休み休み山を登りました。

 

そんな私の後ろを、かなり疲労困憊でKt部長がゆっくりと
山を登ってきております。

さっき熊に出くわして全力で逃げてきたみたいな状態でした。

 

私は山をある程度登ったらKt部長を待ちながら休憩、
って感じで登っておりました。

Kt部長は足に限界が来てるらしく、
時折足が痙攣するとか言って思いっきり休みます。

 

というわけで、そんな男二人が超スローペースですので
登山スケジュール的には大幅に遅れました。

最初の休憩ポイントでは10分ぐらい早く着いたんですけど、
次の休憩ポイントでは10分ぐらい遅く着きました。

 

にしても疲れる。すごい疲れる。

 

またしても口一杯にチョコを詰め込みます。
体脂肪燃焼のためにヘルシアやヴァームも飲みましたが、
多分帳消しになるぐらいの糖分を摂取しました。

 

休めば多少体は軽くなりますが、
そんなのも長くは続きません。

結局また、ピンキーさんとあーちゃんはハイスピードで登山し、
私とKt部長はマイペースで登っておりました。

 

私がKt部長が来るまで待っていると、

 

Kt部長
はぁ、はぁ・・・。
 それにしてもやー、○○歳(←結構いいお年)で
 ○○キロ(←結構いい体重)なのに、よく登ってるよな、オレ!
 自分で自分を褒めてやりてーよ!

 

と、終始自画自賛しておりました。
全くですよ、私なんて今この状態ですら、
家でネットゲームしたかったとか思ってましたからね!

 

私がまた登り始めてしばらくしたら、
実はこの山って前日に雨が降ったらしく、
あちこち地盤がぬかるんでたんです。

 

今回の登山ルートもいくつか泥化している
箇所がありまして、まあ、私ですね、
途中で足を踏み外したんですよ。

あ、ルートから外れたわけじゃないので、
崖から落ちたとかじゃないんですけど、
転ぶ直前、ぶら下がってた木の枝を掴んだんです。

 

 

ボキッ

 

 

ええとですね。違います。
木の枝は折れてないです。

うん、

 

オレの手からそんな音が聞こえてきた。

 

いやあ、どうやら間接鳴らす要領なんですかねえ?
指とかは普通に動くので、大丈夫だと思うんですけど、
どうも手が痛い。痛む。痛し。

 

とはいえ、捻挫的なもんでしょ、ということで登山再開。

しばらくすると、あたり一面雪景色が。
そして雪にはたくさんの足跡が。

うん、どうやらここを通れと言われてるらしい。

 

登山初心者に運動靴で雪山登れとか、
山をナメてるというか、バカにしてるというか、
何かもう訳わかんない状態。

 

~~~

 

頑張って進むと、先に進んでたピンキーさんとあーちゃんが
待っててくださってました。

私はKt部長を置いて登ってきたので、
マイペースで登ってくるKt部長を、3人で待つことに。

 

ところが、10分経っても一向に登ってこないKt部長。

 

心配になって「おーい!」とか叫んでみたり、
携帯鳴らそうとしてみたりしたんですが、
全然反応がないんですよ。

 

・・・だ、大丈夫なのだろうか・・・。

 

さっきまで
「○○歳○○キロなのに、よく登ってるよな、オレ!」
と自画自賛してたのを思い出して、

 

とっさに

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  三三  三三  三三   三三
 三三  三三  三三   三三  

 

と思ったのでした。

携帯で見てる人はズレてると思います。

ピンキーさんが「降りて探してみようか」と
慈愛溢れる発言をしたあと、
Kt部長ー!と叫んでみると、

 

Kt部長「ぉ-ぃ!

 

聞こえる。確かに聞こえた!
Kt部長、無事だったんや!

 

登ってくるKt部長は、
それはそれは誰が見ても

「・・・もうダメでしょ」

と思わせてくれるほどの
疲労困憊っぷりでした。

 

Tozan4  

会社のKt部長からは1ミリも想像できない。

 

~~~

 

Kt部長も同じ場所で一休み。
ピンキーさんとあーちゃんは先に進みました。

 

でもしばらくしてすぐ、

ピンキーさん
「きゃーーー!!」

 

と悲鳴が聞こえました。

 

Kt部長
「ピンキーいっつもキャーキャー騒いでんな。」

 

1ミリも心配しないとかさすが。
というわけで私達も出発。

数秒後、ピンキーさんの悲鳴の正体を知るのでした。

 

Tozan2

 

分かります?

ここルートにしたんだから、お前らここ通れ
え?登れない?ほらよ、ロープ。
 

もう登山道開拓者にそう吐き捨てられた気持ちでした。
お前はそこまでしてこの山を登りたかったのか。

 

まあ登ることが目的なので仕方なく登ります。
登山道開拓者よ、ありがたく思えよ!

 

しかし、こんなファイト一発ロードを、
両足痙攣しているKt部長が果たして登れるのだろうか。

 

と、そんな心配も他所に、
意外と普通に登っていくKt部長。

 

いやマジでその御歳、その体型ですごいと思います。

 

進んでいくと、上から降りてくる人とすれ違いました。

おじいちゃんです。その御歳ですごいと思います。

 

おじいちゃん
「ここ登ったらすぐですよ!」

 

べに
「ホントですか?やった!」

 

期待で胸が一杯になります。だってそうでしょ?
こんな苦行がもうすぐ終わるのですから!

 

おじいちゃんが指差したところは、
どう好意的に解釈しても崖にしか見えなく、
上から鎖が一本垂れ下がってるだけでした。

 

Tozan3 

上ってるのは先行部隊のあーちゃんで、
ピンキーさんが私達より遥か先に行って撮った写真ですが、

横に見える鎖の垂れ具合。

この崖が如何に垂直かわかりますよね。

 

・・・え、これ登るの・・・。

 

一日に何回ファイト一発しなきゃなのだろうか。
そんな絶望感が漂う中、
まあこれを登りきればもうすぐらしいのです。

 

最後ぐらい意地を見せましょう!

 

 

鎖を辿りながら、足場を探しながら崖を登っていきます。

Kt部長はここを登れるんだろうか。
多分私と同じく絶望を垣間見るんだろうな。

とか思いながら登りきりました。

 

よし、登ったぞ!

頂上はどこだ!

 

 

って辺りを見渡したら、

 

 

遥か遠くに霞んで見える山があるんですよ。

 

 

全然もうすぐじゃない。

 

 

ざっと5Km先にあるんじゃなかろうかと思われる
その山の頂は、

「あ、もう帰るね。」

って言いたくなるような距離に位置し、
見上げるほどまだ高くにありました。

 

じいちゃん、ウソつきやがったな。

 

まあ仕方ないです。
普段から登山に勤しんでいる方にしてみれば、
もうすぐって思える距離なんでしょうね。

前記のとおり、登山初心者の私にしてみれば、
罰ゲームとしか思えない。

ホント、何回「オレ、二度と登山しねぇ。」

と心に誓ったことか。

 

でもまあここまで来たのです。

ピンキーさんとあーちゃんなんて
かなり先に行ってるでしょうし、
男としてね、ここは登りきるべきでしょう。

 

 

文句たれながらも、山を登ります。

あれからどれくらい経ったでしょうか。

 

再び雪道になり、
たくさんの人とすれ違い、
足だってもう限界です。

 

でも、少しずつ、登っていました。

 

そしてそれが実を結ぶときが来ます。

 

降りてきたおばちゃん
「あと少しだよ!そこを登れば頂上だよ!」

 

この言葉は信じられる、
そう、ここは周りを見渡しても一番高い山。

 

恐らく、この直線を登りきれば頂上なのでしょう。

 

ついにここまで来ました。
ゆっくりながらも、Kt部長もここまで来ました。

 

Kt部長
「べに!お前やかん持って先に行って、お湯沸かせ!」

 

べに
「はいっ!」

 

 

Kt部長からやかんとコンロセットを受け取ります。

 

実はちょっと前に、

Kt部長
べに、お前先に行ってピンキー達に
 もう戻ろうって言って来い!

って話が出たんです。

 

べに
何言ってるんですか、ここまで来たんです。
 折角ですから頂上まで行きましょう!

 

決して、先に行き過ぎた
ピンキーさんやあーちゃん達に追いつけないから
って理由でKt部長を励ましたんじゃないです。

ですがもうゴールは目前!

Kt部長、あなたの意志は継ぎました。

お任せください!

 

そう、忘れかけてた
頂上でカップめんを食べるというドリームプロジェクト。

 

あとはここを登りきるだけなんだ!

 

全力を振り絞ってその道を進みます。

 

 

 

そして辿り着きました、頂上に!

 

 

 

 

あーちゃん
「あ、来た!」

 

べに
着いたーーーーー!!

 

 

やった、ついに登りきったぞ!
石碑には 「武尊山山頂 2158.3m」 の文字

 

もう足とかガクガク。
帰りはロープウェイに乗りたい。

 

しかし、まだここでやるべきこと、
カップめんを食べるんだ!

 

そう思って携帯コンロを用意していると

 

 

ピンキーさん
私達もう帰ろうと思ってたんですよ。

 

 

 

ちょっと待てと

 

 

 

いやまあ、仕方ないですけよ。

きっと私達よりかなり先に頂上に着いて、
で頂上を満喫して、おにぎりとか食べて。

もうやることないわーみたいな状態だと思うんです。

 

でもまあ、ドリームプロジェクトが実行されるんですから、
せめてこれくらいは堪能して行きましょうよ。

 

で、何でオレって頂上でカップめん食うだけなのに
必死に頑張ってたんだろ?

 

そうこうしている内にKt部長が頂上に。

 

やっと登ったKt部長に対して、

 

ピンキーさん
遅いから私達もう降りようって話してたんです。

 

と無慈悲な一言。

 

Kt部長
何ぃ!?

 

まあ当然の反応ですよね。

 

~~~~~

 

頂上でたくさん写真を撮りました。

まあ一生の記念になります。

 

 

Tozan5

僕達の功績。最大の目的。

 

・・・・この山って、ここら辺で一番高い山なんですって。
ったく、誰だよ、この山登ろうって言ったヤツは。

 

と、言うわけでお湯も沸いたのでカップめん。

 

Tozan6

の準備をする私。

 

以前、友達4人で、夜の浜辺で焚き火して、
みんなでカップめん食べたというバカな思い出がありますが、
なんでだろう、全然充実感が違う。

 

Kt部長がハムを出掛けに買ったんですが、
包丁持ってこなかったのでそのままお持ち帰りという
悲しき出来事もありましたが、
とりあえずそれぞれ、思い思いに頂上を堪能しました。

 

 

~~~~

と、言うわけで、ここから下山です。
長くなったので一旦ここで切りますね。

 

次回は、私が幻覚を見ます。

 

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コメント

次は 8リッターかついで上級登山に連れてくぞ!!!!

投稿: | 2011年7月 7日 (木) 15時50分

はじめまして
続きがとっても気になるので、早く更新して下さいね
楽しみにしてます

投稿: ゆい | 2011年7月 8日 (金) 23時08分

>Kt部長

やです。
 
 
 
>ゆいさん

はじめまして、コメントありがとうございます。
火曜に更新できると思います。

これからもよろしくお願いします。

投稿: べに | 2011年7月10日 (日) 08時46分

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